気がつくと、家族と話すことが減っていた。

別に何かあったわけじゃない。みんな忙しくて、なんとなく会話のタイミングを逃しているうちに、気がつけばこうなっていた。朝はばたばたと準備して、夜は疲れて帰ってきて、それぞれがスマホを見ている時間が増えて。

最初は「まあ、そういう時期もあるよね」と思っていた。でも、ふと振り返ると、最後に家族と笑った時がいつだったか思い出せなくて、なんだか寂しくなった。

無理に話題を作ろうとすると、かえって不自然になる。「最近どう?」なんて聞いても、「まあ、普通だよ」という返事で終わってしまう。こういう時って、どうすればいいんだろう。

自分なりに試してみたのは、小さなことから始めることだった。

例えば、朝のコーヒーを入れる時に「誰か飲む?」と声をかけてみる。夕飯の準備をしている時に「何か手伝おうか?」と言ってみる。テレビを見ていて、面白いシーンがあったら「これ見て」と声をかけてみる。

別に深い話をしようとするわけじゃない。ただ、その瞬間を一緒に過ごすことから始めてみる。

それから、家族の好きなものを思い出してみることも意外と効果があった。お母さんが好きだった和菓子を買ってきたり、お父さんが興味を持ちそうなニュースの話をしてみたり。子どもが好きだった音楽を車の中でかけてみたり。

「覚えてくれていたんだ」という小さな驚きが、会話のきっかけになることがある。

でも、無理はしない。返事がそっけなくても、反応が薄くても、それはそれで仕方ない。今はそういう時なんだと受け入れる。

家族だからといって、いつも仲良くしていなきゃいけないわけじゃない。それぞれに事情があって、それぞれのペースがある。会話が減っても、一緒にいる時間があることそのものに意味があるのかもしれない。

同じ空間にいて、同じ時間を過ごしている。それだけでも、実は十分なことなのかもしれない。

今日の教訓

会話は無理に作るものじゃなくて、自然に生まれるものを大切にしていこう。小さな関わりの積み重ねが、いつかまた笑い合える瞬間につながっていくはず。